アンチエイジングやリフトアップ、小顔のための注入治療では、筋肉や腱などについて深い知識を持った皮膚科専門医が最も効果的な場所に注入して自然な効果が出るようにしています。
美容成分を身体の中に直接取り入れる美容注射や点滴では、目的に合わせた必要な成分をオーダーメイドで組み合わせたオリジナルブレンドによる治療も可能です。
注入
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、体内で自然に作られる物質であり、主成分がたんぱく質ではないのでアレルギー反応を起こす可能性が低く、皮膚となじみやすい安全な注入成分です。顔の皮膚表面にあるシワや溝に注入して和らげる効果や、顔全体に少量ずつ注入して印象を改善することも可能ですし、鼻を少しだけ高くしたい・口唇をふっくらさせる、あごの形を整えるなどにも使用できます。治療効果は半年から1年程度持続し、徐々に消えていきます。施術や部位により適したヒアルロン酸の種類や量、注入方法が異なります。当院では、製造販売承認を取得したヒアルロン酸を使用しておりますので、ご安心ください。
こんな方にオススメ
- シワ・たるみ
- 肌の弾力の低下
リスク・副作用について
ヒアルロン酸注入は、ごくまれに以下のような副作用が起こることがあります。副作用は自然に解消される症状もありますが、深刻な場合は担当医師にすぐご相談ください。
- 内出血
- 腫れ・むくみ(浮腫)
- 痛み・違和感
- チンダル現象
- 血管塞栓
プラセンタ
プラセンタには、ヒアルロン酸、コラーゲン、各種必須アミノ酸、たんぱく質といった栄養素と、胎児が子宮の中で驚異的な成長を遂げるために必要な成分である成長因子が含まれており、体内の組織を本来あるべき状態に修復・再生する働きを持っています。そのため、広範囲な領域で効果が指摘されており、サプリメント内服などに比べてはるかに即効性があります。 当クリニックで導入しているのは、厚生省認可の「メルスモン」(1956年販売開始)と「ラエンネック」(1974年販売開始)という2種類の注射液で、いずれもヒトの胎盤から作られています。今までプラセンタ注射で何かに感染したという報告はなく、「メルスモン」と「ラエンネック」は製剤自体も十分な感染症対策をとっています。ヤコブ病の原因タンパクであるプリオンは完全な除去が不可能ですが、もともと胎盤にはプリオンが存在せず、そのため問題はないとされています。 ただし、厚生労働省の指導でプラセンタ注射を受けた方は献血できませんのでご注意ください。
こんな方にオススメ
- 疲れやストレスが溜まっている
- 美白
- ニキビや肌荒れ
- 頭痛や肩こりに長く悩まされている
リスク・副作用について
プラセンタ注射をすることにより、まれに以下のような症状が現れる場合があります。副作用が気になる場合は、必ず担当医師にご相談ください。
- 過敏症(発疹、発熱、掻痒感(痒み))
- 注射部位の痛み、腫れ
ボトックス
どちらもボツリヌス菌が産生する毒素であり、筋肉の働きを抑える作用を持っています。筋肉によって起こる表情ジワを目立たなくすることができ、咬筋の働きを抑制する小顔効果をはじめ輪郭を整えることも可能です。
また、眉間や目尻などのシワ治療にも最適であり、さらにはシワの跡(折り紙で言えば折りジワ)が残るのを予防する効果も望めます。シワ治療ももちろんですが、口角を上げる治療や顔のエラやせ治療、小顔治療、ふくらはぎ痩せ治療、ワキや頭部の発汗・多汗対策、肩こり外来など様々な用途があります。
現状として、ボツリヌス毒素は正規品から独自に輸入した格安品まで様々なものが世の中に流通していますが、当院では厚生労働省承認のボトックスビスタを使用しておりますので、「ボトックスは毒素だし何だか怖い」と、お考えの患者様でもリスクを最小限に安心して治療を受けていただけます。自費治療ですので当院では痛みに対する対策も万全に、極細注射針を使用しての注射や注射前の疼痛対策なども行っております。
こんな方にオススメ
- 小顔(エラボトックス)
- シワ・たるみ、リフトアップ(ヒアルロン酸との組み合せ治療)
- ワキガ、多汗症
ボトックス治療の注意点
以下に当てはまる方は治療を受けることができませんので、あらかじめご了承ください。
- 妊娠中
- 授乳中
- 全身性の筋肉の病気(筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、ランバード・イートン症候群など)にかかっている
- ボツリヌス製剤のアレルギーがある
以下に当てはまる方は、治療前に医師に必ずお伝えください。
- 妊娠する可能性がある
- 抗生物質、筋弛緩剤、精神安定剤などを服用中
- 喘息などの慢性的な呼吸器疾患や緑内障
- 他の医療施設にてボツリヌス製剤で治療を受けている
リスク・副作用について
ボトックス治療は、ごくまれに以下のような副作用が起こることがあります。副作用が気になる場合は、担当医師にすぐご相談ください。
- 頭痛
- 瞼が下がる
- 注射部位の局所的な痛み
- 注射部位周囲の腫れ・あざ
- 皮膚のつっぱり
- チクチクする感じ
注射・点滴
PRP注射(多血小板血黎注射)
PRP注射とは、ご自身の血液から抽出した多血小板血黎を、対象の部位へ注入する美容施術です。血小板にはケガをした時に止血をしたり、皮膚の再生に役立つ成長因子を作り出したりする働きがあります。この働きを利用し、しわ、ほうれい線、目の下のクマ、くぼみ、たるみなどを改善させていくことが可能です。
また、PRP注射はご自身の血液を使うため、ヒアルロン酸やコラーゲン注入に比べてアレルギーや拒絶反応が起きる可能性が極めて低いという特徴があります。
こんな方にオススメ
- シワ、ほうれい線、目の下のクマ、くぼみ、たるみ
リスク・副作用について
ごくまれに、以下の副作用が起こることがあります。症状が気になる場合は、必ず担当医師にご相談ください。
- 腫脹、発赤などのアレルギー反応
- 注射部位の内出血、腫れ
にんにく注射・点滴
ビタミンB1を主成分とした水溶性ビタミンの点滴や注射です。ビタミンB1は、身体内でエネルギーを産生し、疲労物質を除去するために必要なビタミンです。静脈に直接送り込むため即効性があり、全身倦怠感、食欲不振、皮膚トラブルなどを解消に導きます。
リスク・副作用について
にんにく注射・点滴では、以下のような副作用が起こることがあります。副作用が気になる場合は、担当医師にご相談ください。
- アレルギー反応
- 下痢
- 頭痛
- 湿疹
- 蕁麻疹
高濃度ビタミンC点滴
美肌や美白作用がよく知られたビタミンC。近年になって、超高濃度のビタミンCが免疫力を増強させ、身体全体への抗酸化作用や抗がん作用、そして抗アレルギー作用があることがわかってきています。点滴で投与することでビタミンCの血中濃度が急激に上昇し、短時間で全身くまなく行き渡るため、アンチエイジングにも優れた効果を発揮します。ただし、日本人には稀ですがG6PD欠損症の場合、この治療を受けると溶血が起こってしまうため、初回には必ず血液検査を行っています。
こんな方にオススメ
- 疲れやすく、風邪をひきやすい
- 体内からキレイになりたい、美白をしたい
- タバコやお酒を多く摂取する
- ストレスを溜めやすい
- 日焼けを治したい
- ニキビや肌荒れ
- 小じわや肌の弾力低下
- 積極的ながん予防
- 老化を遅らせたい
効果について
美白効果
メラニンを作る酵素であるチロシナーゼの働きを阻害し、メラニン色素の生成を抑制することにより、シミの改善や予防、美白効果があります。季節の変わり目に現れる肌荒れの改善や、日焼け後の肌ダメージの回復にも効果的です。
ビタミンCはコラーゲンを合成する酵素の働きを助けます。コラーゲンは腱、骨、皮膚、血管壁ほか、様々な内臓諸器官の支持組織を構成する結合組織の主要な成分です。ビタミンCが豊富にあり、コラーゲンの生成が促進されれば、肌のハリ、しわ、たるみの改善やお肌の老化予防に効果的です。
ビタミンCはセラミドの生成を促します。セラミドは皮膚の表面の保湿を担う重要な物質ですので、セラミドが豊富になることにより、肌の保湿力が高まりみずみずしい皮膚になります。
ビタミンCは皮脂分泌の正常化にも関係し、毛穴をトラブルなく保つことでニキビを予防すると共に、抗炎症作用で赤いニキビを改善する作用もあります。
ビタミンCは抗酸化作用が有名です。お茶のペットボトルの成分表を見ていただくとほぼ必ず「酸化防止剤(ビタミンC)」と記されています。体内の場合、高濃度のビタミンCを静脈内に投与して全身に広がることで全身の活性酸素を除去する効果が期待できます。活性酸素は老化に関係し体内の細胞を攻撃することで体をサビさせる(酸化させる)物質と言われていますので、それを減らすことでいつまでも若々しく健康で暮らせるようにサポートします。
高濃度ビタミンC点滴は毎日のストレスにより発生する活性酸素を抑えることで、疲労倦怠感の回復が望めます。また点滴なので即効性があります。毎日とても忙しい方、ストレスの多い方に適した点滴です。
体内の免疫機能の中心的な役割を果たす「白血球」の機能を高めて体の免疫力をアップします。風邪のひきはじめ等に点滴すると特に効果的です。
高濃度ビタミンC点滴はがん予防にも効果があると言われています。今から30年以上前、ノーべル賞受賞者ポーリング博士らが「ビタミンCを大量に投与すると末期がん患者に効果がある」と発表し、ビタミンC大量投与は注目を浴びました。さらに研究が進んで、2005年にはアメリカ国立衛生研究所が「大量のビタミンCの点滴はがん細胞だけを選択的に攻撃して、がん細胞を減らす」という驚くべき報告をしました。この頃からアメリカを中心に高濃度ビタミンC点滴はさらに注目され世界中に広まっていきました。現在では超高濃度ビタミンC点滴はがん細胞を殺すと共に、抗酸化作用でがん細胞の発生自体を抑えるとされています。ビタミンCという身近で安全な成分でありながら、このような多くの効果を得られる点で高濃度ビタミンC点滴は非常に優れた治療と考えています。当院では防腐剤(チオグリコール酸ナトリウムやピロ亜硫酸ナトリウム)が入っていないビタミンC製剤(DAE HAN NEW PHARM社製)を海外から輸入して使用しているため安全です(逆に、国産の製品は防腐剤が入っています)。高濃度ビタミンC点滴の副作用は点滴時に血管の痛みを感じる方がいることや、胃部不快感を訴える方がいるくらいです。
治療の際の注意点
「G6PD欠損症」という稀な持病をお持ちの方はビタミンCと相性が悪いため高濃度ビタミンC点滴が受けられません。初回受診時の患者さまはこの持病の有無のチェックのため採血検査が必要となります。
リスク・副作用について
ほとんど副作用はないと報告されていますが、まれに以下のような副作用が起こることがあります。気になる症状がある場合は、担当医師にご相談ください。
- 点滴痛(血管痛)
- 口渇(のどの渇き)
- 低血糖(めまい、冷や汗、疲労感等)